Amazon Simple Email Service (SES) を使用する理由
Amazon Simple Email Service (SES) は、送受信される E メールの量に基づく従量制料金のサービスです。サブスクリプションや契約交渉、最低料金はありません。
AWS 無料利用枠
AWS 無料利用枠の一部として、SES では、必要な SES の E メール機能を無料でお試しできる柔軟な無料利用枠を提供しています。無料利用枠のお客様は SES の使用開始後の最初の 12 か月間は、毎月最大 3,000 件のメッセージ料金が無料になります。
以下の SES 製品からのメッセージ料金は、SES 無料利用枠の対象となります。
- 送信 E メール
- 受信 E メール
- Virtual Deliverability Manager の送信 E メール処理
1 通の送信 E メールは 1 件のメッセージ料金に相当し、1 通の受信 E メールも 1 件のメッセージ料金としてカウントされます。アカウントで Virtual Deliverability Manager を有効にすると、1 通の送信 E メールが 2 件のメッセージ料金としてカウントされます。
例: Virtual Deliverability Manager を有効にした状態で、1 か月あたり 1,000 通のメッセージ送信 (2,000 メッセージ料金) と 1,000 通の E メール受信 (1,000 メッセージ料金) が可能で、これは SES 無料利用枠である 3,000 メッセージ料金の上限を超えません。その他の例については、このブログ記事をご覧ください。
複数の製品が使用されている場合、無料利用枠のメッセージ料金は、より高額な料金 (送信メッセージなど) に最初に適用されます。
1 か月あたり最大 3,000 件のメッセージ料金の組み合わせは、SES の使用開始後 12 か月間、無料利用枠に含まれます。2023 年 8 月 1 日以前に SES を使用開始したお客様は、1 年間 (2024 年 8 月まで) SES 無料利用枠をご利用できます。
注意: Amazon SES の使用が AWS 無料利用枠の適用範囲内である場合でも、送信メールデータ、受信メールチャンク、EC2 データの転送、および専用 IP アドレス (該当する場合) などのアドオン機能の料金が発生します。
Amazon SES 料金
Amazon SES では使用した分についてのみ支払いが発生し、最低料金やサービス使用義務はありません。E メールの送受信、データ使用量、追加機能については、別途課金されます。Amazon SES では、使用した機能についての料金のみをお支払いいただくため、請求の透明性と低料金を実現できます。
サービスタイプ | 料金 | 追加料金 |
アウトバウンドメール | 0.10 USD/1,000 件の E メール | 送信する添付ファイルの 1 ギガバイト (GB) のデータごとに 0.12 USD* |
グローバルエンドポイント | 0.03 USD/1000 件の E メール | マルチリージョンエンドポイント ID 経由で送信された場合のみ、基本送信料金に上乗せされます**** |
インバウンドメール | 0.10 USD/1,000 件の E メール | 着信 E メールチャンク 1,000 件につき 0.09 USD (詳細については、「料金の詳細」をご覧ください) |
Mail Manager | ||
-オープンイングレスエンドポイント** | エンドポイントあたり 50 USD/月 | |
-E メール処理*** | 0.15 USD/1,000 件の E メール | 着信 E メールチャンク 1,000 件につき 0.09 USD (詳細については、「料金の詳細」をご覧ください) |
-アーカイブ | 2 USD/GB (取り込まれた E メール) 0.19 USD/GB/月 (アーカイブの保存と検索) |
|
-E メールのアドオン | 選択したアドオンソリューションによって異なります | |
Amazon Connect メール | 0.05 USD/1 件のメール | 詳しくは、Connect 料金ページをご覧ください |
*EC2 を利用する場合、別途データ転送料が発生する場合があります
** オープンイングレスエンドポイントは専用リソースを提供し、お客様が自分のドメインで直接 E メールを受信できるようにします。さらに、認証情報が検証済みである送信者からの E メールのみを受け入れる、無料の認証済みイングレスエンドポイントを提供します。
*** E メール処理とは、インバウンド受信またはアウトバウンド送信にかかわらず、Mail Manager によって処理される E メールをいいます。
**** 送信ワークロードを 2 番目に設定したグローバルエンドポイントリージョンに移動すると、追加のデータ転送料金が発生する場合があります。
***** Amazon Web Services 月額料金見積りツールを使用して、Amazon SES 利用時の月額料金を見積もることができます。 現在、料金見積りツールには SES 無料利用枠の割引は含まれていませんのでご留意ください。
アドオン機能 | 料金 | コメント |
専用 IP | ||
- 標準 | 1 IP あたり 24.95 USD/月 | |
- マネージド型 | 1 アカウントあたり 15 USD/月 | |
0.08 USD/1000 件の E メール | 0〜1,000 万件の E メール/月 | |
0.04 USD/1000 件の E メール | 1,000 万〜5,000 万件の E メール/月 | |
0.02 USD/1000件の E メール | 5,000 万〜1 億件の E メール/月 | |
お問い合わせ | 1 億件を超える E メール/月 | |
BYOIP (自分の IP アドレスを持ち込む)* | 24.95 USD/月* | |
受信箱での配信: Virtual Deliverability Manager | 0.07 USD/1,000 通の E メール | 0〜1,000 万通の E メール/月 |
0.05 USD/1,000 通の E メール | 1,000 万〜1 億通の E メール/月 | |
0.02 USD/1,000 通の E メール | 1 億通を超える E メール/月 | |
0.0005 USD/1,000 件のクエリ | 毎月最初の 5,000 件のクエリは無料 |
* 持ち込めるアドレス数の最低数は 256 個であり、この場合、24.95 USD × 256 = 6,387.20 USD/月が最低コストになります。
** 詳細については、「料金の詳細」をご覧ください。
料金の例
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料金の例 1
1 か月間に約 25 万件の E メールを Amazon SES で送信。1 か月間に 1,000 件の E メールを受信。専用 IP アドレスの利用はありません。Amazon EC2 でホストしていないアプリケーションを使用して E メールを送信。送受信メッセージのサイズはすべて 32KB。
単位 料金 計算 コスト 送信メッセージ 250,000 0.0001 USD 250,000 (メッセージの合計件数) × 0.0001 USD (1 件あたり) - 3,000 (無料メッセージ件数) 24.70 USD 送信メールデータ 0.000032 0.12 USD (0.000032 GB × 250,000 件のメッセージ) × 0.12 USD (データ 1 GB あたりの料金) 0.96 USD 受信メッセージ 1,000 0.0001 USD 合計 1,000 件のメッセージ 0.10 USD 受信メールチャンク 32 0.00009 USD (32 KB × 1,000 件のメッセージ) ÷ 256 KB = 125 (メールチャンク数) × 0.00009 USD (1 チャンクあたりの料金) 0.01 USD SES 使用の合計料金 25.77 USD -
料金の例 2 - 専用 IP の追加
3 つの専用 IP アドレス (標準) を持ち、これらの IP アドレスを使用し、Amazon EC2 インスタンスでホストしているアプリケーションから 1 か月間に 2 百万件のメッセージを送信します。また、25 万件のメッセージを受信します。送受信メッセージのサイズはすべて 32 KB です。
単位 料金 計算 コスト 送信メッセージ 2,000,000 0.0001 USD (2,000,000 (メッセージの合計件数) - 3,000 (無料メッセージ件数)) × 0.0001 USD (1 件あたりの料金) 199.70 USD 送信メールデータ 0.000032 0.12 USD (0.000032 GB × 2,000,000 - 3,000 件のメッセージ) × 0.12 USD (データ 1 GB あたりの料金) 7.67 USD 受信メッセージ 250,000 0.0001 USD 合計 250,000 件のメッセージ 25.00 USD 受信メールチャンク 32 0.00009 USD (32 KB × 250,000 件のメッセージ) ÷ 256 KB = 31,250 メールチャンク × 0.00009 USD/メールチャンク 2.81 USD 専用 IP (標準) 3 24.95 USD 3 アドレス × 24.95 USD/アドレス 74.85 USD SES 使用の合計料金 310.03 USD -
料金の例 3 - 専用 IP (標準) vs.専用 IP (マネージド型)
SES を使用して、Amazon EC2 インスタンスでホストされているアプリケーションに毎月 80,000,000 件のメッセージを送信しています。定期的なピーク送信量をサポートするために、30 個の専用 IP を使用して、良好な送信レピュテーションと速度を維持することを選択します。専用 IP (標準) と専用 IP (マネージド型) のコストを比較すると、特定のユースケースでは、専用 IP (標準) の方が合計コストが低くなります。
オプション 1: 専用 IP (標準) 単位 料金 計算 コスト 送信メッセージ 80,000,000 0.0001 USD (80,000,000 (メッセージの合計件数) - 3,000 (無料メッセージ件数)) × 0.0001 USD (1 件あたりの料金) 7,999.70 USD 送信メールデータ 0.000032 0.12 USD (0.000032 GB × 80,000,000 件のメッセージ) × 0.12 USD (添付ファイル 1 GB あたりの料金) 307.20 USD 専用 IP (標準) 30 24.95 USD 30 アドレス × 24.95 USD/アドレス 748.50 USD SES の利用料金の合計 (専用 IP を使用 - 標準) 9,055.40 USD オプション 2: 専用 IP (マネージド型) 単位 料金 計算 コスト 送信メッセージ 80,000,000 0.0001 USD (80,000,000 (メッセージの合計件数) - 3,000 (無料メッセージ件数)) × 0.0001 USD (1 件あたりの料金) 7,999.70 USD 送信メールデータ 0.000032 0.12 USD (0.000032 GB × 80,000,000 件のメッセージ) × 0.12 USD (添付ファイル 1 GB あたりの料金) 307.20 USD 専用 IP (マネージド型) 1 アカウント 15.00 USD 1 アカウント × 15 USD 15.00 USD 10,000,000 0.00008 USD 10,000,000 (メッセージの合計件数) × 0.00008 USD (メッセージあたりの料金) 800.00 USD 40,000,000 0.00004 USD 40,000,000 (メッセージの合計件数) × 0.00004 USD (メッセージあたりの料金) 1,600.00 USD 30,000,000 0.00002 USD 30,000,000 (メッセージの合計件数) × 0.00008 USD (メッセージあたりの料金) 600.00 USD SES の利用料金の合計 (専用 IP を使用 - マネージド型) 11,321.90 USDUSD 注意: 上記の計算は Amazon SES の使用コストのみを示しています。Amazon EC2 の利用料金は含まれていません。Amazon EC2 の利用コストの詳細については、「Amazon EC2 の料金」をご覧ください。
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料金の例 4 – Mail Manager
Amazon SES Mail Manager を利用して、組織で約 300,000 件/月の E メールを受信します。1 個のオープンイングレスエンドポイントを使用して外部 E メールを受信し、内部 E メール用に 1 個の認証済みイングレスエンドポイントを設定します。送受信メッセージのサイズはすべて 50 KB です。
単位 料金 計算 コスト オープンイングレスエンドポイント 1 50.0001 USD 1 個のオープンイングレスエンドポイント × エンドポイントあたり 50 USD/月 50.00 USD 処理されたメッセージ 300,000 0.00015 USD 合計 300,000 件のメッセージ × 0.00015 USD/メッセージ 45.00 USD メールチャンク 50 0.00009 USD (50 KB × 30 万件のメッセージ) ÷ 256 KB × メールチャンクあたり 0.00009 USD 5.27 USD SES の合計利用料金 100.27 USD -
料金の例 5 – Mail Manager (アドオンあり)
Amazon SES Mail Manager を利用して、組織で約 500,000 件/月の E メールを受信し、SMTP 経由で約 500,000 件の E メール/月を送信します。2 個のオープンイングレスエンドポイントを使用して外部 E メールを受信し、アウトバウンド送信用に 1 個の認証済みイングレスエンドポイントを設定します。送受信メッセージのサイズはすべて 50 KB です。 アウトバウンドメールについては、将来の監査のために記録を保存したいため、アーカイブアドオンを使用します。また、Trend Micro アドオンを使用して、着信メールのウイルススキャンを実行します。
単位 料金 計算 コスト オープンイングレスエンドポイント 2 50.00 USD 1 個のオープンイングレスエンドポイント × エンドポイントあたり 50 USD/月 100.00 USD 処理されたメッセージ 1,000,000 0.00015 USD 合計 1,000,000 件のメッセージ × 0.00015 USD/メッセージ 150.00 USD メールチャンク 50 0.00009 USD (50 KB × 100 万件のメッセージ) ÷ 256 KB × メールチャンクあたり 0.00009 USD 17.58 USD 取り込みのアーカイブ 500,000 2 USD/GB (50 KB × 100 万件のメッセージ) * 1e-6 × 2 USD/GB 50.00 USD アーカイブストレージ 500,000 0.19 USD/GB (50 KB × 100 万件のメッセージ) * 1e-6 × 0.19 USD/GB 4.75 USD Trend Micro アドオンスキャン 500,000 0.0001875 USD 合計 500,000 件のメッセージ × 0.0001875 USD/メッセージ 93.75 USD SES の合計利用料金 416.08 USD
料金の詳細
E メールメッセージ
送信データの料金
受信メールチャンク
専用 IP アドレス
標準:
マネージド型:
専用 IP の利用は、専用 IP 単位ではなく、実際の利用量に応じて選択することができます。専用 IP マネージド型は、1 アカウントあたり 15 USD/月の固定サブスクリプション料から始まり、1000 件の E メールあたり 0.08 USD となります。送信ボリュームが一定量に達すると、料金が下がります (上記料金表を参照)。
専用 IP マネージド型の利用開始は、請求サイクル中いつでも可能で、実際の使用量に応じた料金のみが請求されます。専用 IP のリースを終了する場合は、その後の課金はされません。
BYOIP (自分の IP アドレスを持ち込む)
Amazon SES には、Bring-Your-Own-IP (BYOIP) と呼ばれるオプション機能が含まれています。この機能は、所有する IP アドレスの範囲を使用して Amazon SES で E メールを送信できるようにします。BYOIP を使用する場合は、IP 範囲の各 IP アドレスに対して、1 か月あたり 24.95 USD を支払います。持ち込めるアドレス数の最低数は、256 個で、この場合 24.95 USD × 256 = 6,387.20 USD/月が最低コストになります。詳細については、Amazon SES デベロッパーガイドを参照してください。
Virtual Deliverability Manager
Virtual Deliverability Manager では、E メールの送信料金などの他の SES 料金に加えて、送信された 1,000 通の E メールメッセージごとに 0.07 USD かかります。送信量が一定量に達すると、料金が下がります (上記の料金表をご覧ください)。AWS コンソール、CLI、または API を通じて Virtual Deliverability Manager の情報にアクセスすると、1,000 件のクエリごとに 0.0005 USD かかります。毎月最初の 5,000 クエリは無料です。
AWS の他のサービスの料金
Amazon SES の設定や利用形態に応じて、上記以外の AWS のサービスに対する月額料金が発生します。例を以下に示します。
- Amazon EC2 でホストされているアプリケーションを使用して E メールを送信した場合、コンピューティング使用量に対する料金と、EC2 からのデータ送信についてのデータ転送料が発生します。詳細については、Amazon EC2 料金を参照してください。
- 受信メッセージを Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) バケットに転送する場合、保存するデータ量に基づいた料金が発生します。詳細については、Amazon S3 料金をご覧ください。
- Amazon Simple Notification Service (Amazon SNS) を使用して通知を受信する場合、受信する通知の数に基づいた料金が発生します。詳細については、Amazon SNS 料金をご覧ください。
- Amazon CloudWatch でカスタムダッシュボードまたはカスタムメトリクスを使用する場合、作成するカスタムメトリクスとカスタムダッシュボードの数に基づいた追加の月額料金が発生します。詳細については、Amazon CloudWatch の料金をご覧ください。
AWS マネジメントコンソールの 請求ダッシュボード から、AWS のすべてのサービスを含めた月額料金の見積もりができます。
料金に関するその他のリソース
AWS の月額料金を簡単に計算できます。
個別のお見積もりをご希望の場合、AWS のスペシャリストにお問い合わせください。